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 名著、げすとこらむ32纏め 佐佐木幸綱教授 

名著、げすとこらむ32 佐佐木幸綱教授

万葉集を、単独で全部の歌の注釈をなしとげた人は十人ほどしかいない。

作品全体の注釈書を書き上げた3人の近代歌人
『万葉集評釈』窪田空穂  「実用性」「文芸性」「気分」
『評釈万葉集』佐佐木信綱 「おのがじし(各自それぞれ)」
『万葉集私注』土屋文明

その他の近代歌人の本
斎藤茂吉 全五冊の大著『柿本人麿』、かつてのベストセラー『万葉秀歌』を出版。
島木赤彦『万葉集の鑑賞及び其批評』
尾山篤二郎『大伴家持の研究』

など

校本万葉集 1924年完成。
大正前半の時点で全国から集めえた百三十五部(抄本・断簡を含む)の
すべてを校合
したもの。
昭和になって岩波文庫をはじめ信頼性の高いテキストが出るようになった

多くの近代歌人たちが万葉集の研究・鑑賞をするにいたったのは、
『校本万葉集』完成によって万葉集のテキストが整備されたことが大きな理由の一つ。

近代の歌人たちは、万葉集の研究・鑑賞をとおして、
日本の詩の根本的な問題、
さらには自身の作歌の要諦にかかわる問題を考えたかった
のだと思います。

<1>万葉集時代に短歌形式が定着し、一挙に普及
古事記・日本書紀に挿入されている歌謡には不定形の歌がかなりあるが、
万葉集になるとほぼ短歌と長歌に集約。

(旋頭歌体六十二首、仏足石歌体一首と、わずかな例外はある)。

短歌形式が普遍化しはじめた始発期の歌、
たとえば村落共同体の全員が一つの歌を共有する歌には、
個人の歌には見られない「混沌」がある
。茂吉はここに注目しました。
現代詩歌に欠けている「集団の声」を問題にした、
大岡信さんの「宴と孤心」を思い出す読者もおられるでしょう。



<2>万葉集の時代百三十年の間に、
「集団の声」が、次第に洗練されて「個の声」に変わってゆく

窪田空穂は「実用性」の歌から「文芸性」の歌へ、という文脈を読みます。
「個の声」に「気分」という刻々変化してやまない、
他者と共有できない感覚の作品化を見ます。「気分」は近代短歌の核をなす一つでした。


<3>一回限りの時間という新たな意識、個の抒情
古墳の時代から火葬の時代へ移行し、彼岸と此岸が断絶。
編年体の歴史書

干支や四季のように循環する時間ではない、一方に進行する時間の観念を獲得。

茂吉は「全力的」な生と表現を読みます。
佐佐木信綱は、個人が「おのがじし」を生き、感じ、思い、
表現しはじめることに注目
します。
たとえば雲も、おのがじしの目でとらえられ、おのがじしの言葉で表現されます。
「……色では白雲、青雲、時では朝雲、形では横雲、布雲、豊旗雲、浪雲、
 その状態については、
 立つ雲、ゐる雲、飛ぶ雲、いさよふ雲、行く雲、たなびく雲、かかる雲、延ふ雲、
 横切る雲……」(「万葉集の雲」)。
信綱は特に「豊旗雲」「布雲」「浪雲」の独特さを論じています。
これほどバラエティに富んだ雲のありようは、万葉集だけのものです。
後の勅撰集の雲は、自分独自の目や言葉ではなく固定化された角度で見られ、
和歌的世界に染まった用語で表現されるようになってゆくのです。


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