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 #2 スピノザ『エチカ』 100分de名著 

第二回「本質」

第三部 定理七
おのおののものが自己の有に固執しようと努めるコナトゥスは
その物の現実的本質
にほかならない。


コナトゥス 自分の存在を維持しようとする力。
傾向・方向性を持った力。ホメオスタシス(恒常性)の原理。

本質は力 哲学の大転換。
古代ギリシャ以来、本質はエイドス(形)だった。
農耕馬でも競走馬でも同じ馬として扱うのがエイドス
農耕馬は競走馬よりも農耕牛に近いのではないかと考えるのがコナトゥス

前回の善悪と合わせて考えると、両者を育てるとき、
農耕馬にとって善いことと競走馬にとって善いことは違う。
それぞれの力のありようはどのようなものであるか、
どんなものとならうまく組み合うか考えて、力を伸ばしていく
と良いのではないか。

決められた本質を目指すのではなく、
それぞれの特性に合った力の伸ばし方を考える。



欲望という本質
何かをしたい、何かをさせようとする力。

欲望とは、人間の本質が、
与えられたそのおのおのの変状によってあることをなすように決定される
と考えられる限りにおいて、人間の本質そのものである。
第三部 諸感情の定義



変状 外部からの力。
あるものがある形やある性質を帯びること

欲望とは自分を維持するための、意識を持った衝動。コナトゥスの現れ。

古来から欲望は理性に対する良くないものだと捉えられていたが、
汗をかけば、喉が渇き、水を飲むようなもの。
スピノザは欲望を自分を保つための本質だとして否定しない。
欲望自体が悪いわけではない。これも組み合わせ次第。
同じ条件下でも人によって変状も違うし、欲望も違う。

感情とは、我々の身体の活動能力を増大しあるいは減少し、
促進しあるいは阻害する身体の変状
また同時にそうした変状の観念であると解する。
第三部 定義三


そこで我々は、精神がもろもろの大なる変化を受けて
時にはより大なる完全性へ、また時にはより小なる完全性へ移行しうる
ことが分かる。
この受動が我々に喜びおよび悲しみの感情を説明してくれる。

活動能力が上がり、完全性が上がるのが喜び、
活動能力が下がり、完全性が下がるのが悲しみ。
↑完全なものはないので、このような言い方になる。

喜び・悲しみ・欲望が人間の基本的感情
その他の諸感情はこの三者から生ずる。

愛   外部の原因の観念を伴った喜び。
憎しみ 外部の原因の観念を伴った悲しみ。
怒り  憎む人に対して、害悪を加えるように我々を駆る欲望。
など

嘲弄 軽蔑するものが憎む人の中にあることを表象することから生ずる喜び。
時のヨーロッパの、特に社交界では、笑いの多くが嘲弄だった。
スピノザは嘲弄と楽しい笑いを区別し、楽しい笑いは大切だと述べた。


宗教戦争の時代
人間は宗教が絡むと非常に感情的になる。

人間は受動という感情に捉われる限りにおいて本性上たがいに相違しうるし、
またその限りにおいては同一の人間でさえ変わりやすくかつ不安定である。
第四部 定理三三


人間は受動という感情に捉われる限り相互に対立的でありうる。
第四部 定理三四

我々が感情をよりよく認識するに従って
感情はそれだけ多く我々の力の中に在り、
また精神は感情から働きを受けることがそれだけ少なくなる
第五部定理三 系


今、自分はどんな感情なのか、なぜこのような感情を持っているのか。
受動的な感情を自分で分析して少しでも理解できると、
感情の捉われから、ある程度は逃れることができる。


感想
いろいろな新しい考え方をした人だったんだなあ。
前回の考えとも繋がっていて一貫性があるなあ。

本質は形ではなく力、同じ人間でも自分にとって善いものを知ろう。

欲望は自分を保つための本質だから、欲望自体が悪いわけではない。
衝動をどのように調節したらよいか考えて行動すると良いのかな。

喜び・悲しみ・欲望が人間の基本的感情。
受けた感情を少しでも分析して理解できると、感情に捉われる大きさが減る。

完全なものはない、完全にはできない、と認識しておくのは大切だね。



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 #1 スピノザ「エチカ」 100分de名著 

第一回 善悪 講師:國分巧一郎さん

スピノザの著書
生前
「デカルトの哲学原理(1963年)」
「神学・政治論(1670年 匿名)」
キリスト教会から発禁処分。非難を浴びた。

没後 友人達により遺稿集が出版されたがこれも発禁処分。
「知性改善論」「国家論」「エチカ」「書簡集」など。


エチカ(Ethica:倫理学)
ギリシャ語のエートス
(動物たちの住処・巣)が語源。

エチカはエートスを考える哲学。
人が集まった時の、住処(すみか)に基づく習慣・決まり・倫理
を考える哲学。
頭ごなしに決めつけるものではなく、その人にとってのエチカを考えるという哲学は、
宗教が力を持っていた当時は受け入れられなかった。


幾何学的秩序に従って論証
定義を設定
   直線とは・円とは何か。
公理を定める  議論の前提となる仮定。
定理を述べる  そこから導かれる図形の性質。
証明で確かめる 正しさを確認。


スピノザはこの世界や人間の性質を明らかにしようとした。
出発点は神

神とは、絶対無限なる実有
 言いかえれば各々が永遠・無限の本質を表現する
 無限に多くの属性から成っている実体、と解する」
 (第一部、定義六)


神は無限
例えば、自分は時間的にも空間的にも有限だが、神は無限。

神は無限である
ならば神に外側はない
全ては神の中にある
私たちも神の一部である(変状・様態)


キリスト教やユダヤ教では、神とは人格神で人を裁く存在と考えられていたが、
スピノザは、我々一人一人が神の現れと考えた

スピノザの神は宇宙の意味に近い 
Deus Sive Natura 神即自然

神という言葉を使ってはいるが、自然科学的な考え方に近い

アインシュタイン「私はスピノザの神を信じる」


「エチカ」の構成
第一部 神について
第二部 精神の本性及び起源について
第三部 感情の起源及び本性について
第四部 人間の隷属、あるいは感情の力について
第五部 知性の能力あるいは人間の自由について


第一部は抽象論なので挫折しやすいが、第四部の倫理の話は具体的で読みやすい。

第四部の善悪
善悪の定義について考える

まず、人は「完全」と「不完全」をどんな意味で使うか

完全、不完全は人の思い込み

「人間が自然物を完全だとか不完全だとか呼び慣れているのは、
 物の真の認識に基づくよりも、
 偏見に基づいている
ことがわかる」



一般的観念に一致すれば完全・一致しなければ不完全と言う。

例えば一本の角しかない牛は不完全とか奇形、と言われるが、
それは人間が「一般的観念」に基づいて言っているだけで、
実際は自然の中には完全も不完全もない


スピノザは善悪も同じだと言う。

第四部 序言
「善及び悪に関して言えば~思惟の様態、
 すなわち我々が相互に比較することによって形成する概念に他ならない」

 

「なぜなら、同一事物が、同時に善、及び悪、
 並びに善悪いずれにも属さない中間物でもありうるからである」

  

「例えば、音楽は憂鬱の人には善く、悲傷の人には悪しく、
 聾者には善くも悪しくもない」


善悪は組み合わせの結果
それ自体として完全に良いものも悪いものもない。
すべては組み合わせ次第であり、そのもの自体に善悪はない。

トリカブトは人間にとって良くないものだが、トリカブト自体が悪いわけではない。
それを忘れて結果だけ取り上げると、良いとか悪いなどの命令形になってしまう。


第四部 定理八証明より
善 活動能力を増大・促進するもの
悪 活動能力を減少、阻害するもの



善いものは喜びの感情を高める

「善悪の認識は、我々の意識した限りにおける
 喜び、悲しみの感情に他ならない」



賢者はいろいろな楽しみ方を知っている
「その人がどういう風に善く生きられるか」
というのがエチカの考え方。

「どんな科目も、人によって理解できる筋道が違う。
 どうやったらうまくいくかはそれぞれ違う」

あなたの活動能力がどうやったらうまく高まるかを考えること。
自分がどうすればそうなるかを分かっていれば、よりよく生きられる。


感想
自分も神の一部だから、自分がどうしたら楽しく生きられるかを自分で考えよう。
どんなものも、完全に善なものも、完全に悪いものもないから、
良くなる組み合わせを考えよう。



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 食べ物が生む環境問題 

静岡新聞2016年11月13日 YOMOっと新聞より

32 アブラヤシとヘイズ

ヘイズ シンガポールで9月~11月に起こる煙害。
煙はインドネシアのスマトラ島から
流れてくる。

乾季のアブラヤシの農園で枯れ草などを焼き、灰を肥料にするため、
野焼きが行われる。

アブラヤシからはパームオイルという油が、菜種や大豆より効率よくとれる。

パームオイル作りは儲かり、アブラヤシ畑はどんどん増えている。
アブラヤシ畑の拡大は、森林破壊という環境問題も引き起こしている。

世界の食用油の消費量は、人口増加や食生活の変化で急速に増え、
この10年で2倍。今後さらに増えると予測。

パームオイルはハンバーガーやフライドポテトにも使われている。
君達の食べ物は、遠い場所で起きている事と実は深くつながっている。



感想
工場の排ガスではないから大丈夫なような気がしたけれど、
アブラヤシを生産する量が過剰なのが問題なんだね。



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「ここの人、前になぜかニーチェについて書いてたよな、気になる」てなときに、『ニーチェ』と検索するとその記事が見つかるのです。すごいね!
ちなみに、書いていなそうな語句を検索すると、記事は見つからないけど、関連商品などが表示されます(笑)。
「5月の初め頃の記事…」と時期で探す時に便利です。

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