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 2014年05月の記事一覧 

 #3 万葉集 100分de名著 

第3回 個性の開花

第三期 710年 平城遷都
 都市社会・日本書記・古事記・法律の成立。

山部赤人 自然の美を詠んだ、人麻呂の後を継ぐ宮廷歌人。山柿と並び称される。
短歌で連作。三十六歌仙。
み吉野の 象山の際の 木末には ここだも騒く 鳥の声かも
(巻6・924)

ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く(巻6・925)

それまで行幸の歌は天皇を讃える為にあったが、赤人は自然のことだけを詠っている。
公式の場では漢詩になり、宮廷を荘厳に讃えあげる和歌は無くなってくる。
和歌は漢詩に主役を譲りながらも消えることはなく、自由になった。
自分が思うままに、自然を自然のまま見ることを、歌の心として重んじるようになった。

田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける
(巻3・318)
さった峠の歌。馬で歩いていたら、急に視界が開けて富士山が見えた。
空のことを何も言っていないのに、真っ白な富士山で青空をも感じることができる。

春の野にすみれ摘みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にける(巻8・1424)

笠金村 旅の叙情を中心に描く。長歌9・短歌26。劇的な構成の挽歌。

大伴坂上郎女 
狭穂河乃  小石踐渡  夜干玉之  黒馬之来夜者  年尓母有粳
佐保川の 小石踏み渡り ぬばたまの 黒馬来る夜は 年にもあらぬか
 
(巻4・526)作者未詳の巻11・2640と似ている。

湯原王 視覚と音を引き出した写実的な歌。19首。
新鮮で繊細な感覚。温和で気品がある歌風。
吉野なる 夏実の川の 川淀に 鴨そ鳴くなる 山影にして(巻3・375)
吉野の菜摘の里 今も古代の静寂を湛える場所。


大伴旅人 歌で人生を見つめる。
天孫降臨で天皇を先導したという、とても古い武門の家柄。
役人として、地方の自然の美しさ、都への憧憬も詠う。
60代以降の、人生の厚みが自ずから出る歌が多い。

世間は 空しきものと 知る時し いよよますます 悲しかりけり(巻5・793)
大宰府に赴任してまもなく親しい人達を亡くした時の歌。

13首の亡妻挽歌 亡き妻を悼む歌をたくさん詠んだ。
帰るべく 時はなりけり 都にて 誰が手本を か我が枕かむ(巻3・439)
我妹子が 見し鞆の浦の むろの木は 常世にあれど 見し人ぞなき(巻3・446)

言霊の時代は美しい言葉だけを選んで使っていたが、
人生の辛いことも真正面から見る哲学的・宗教的な世界に踏み込んでいる。


筑紫歌壇 大伴旅人・山上憶良・小野老らが作った新しい歌の気風。

梅花歌32首 五巻815~に掲載。旅人の邸で宴を開いた時の歌。←楽しそう。

山上憶良 他者に思いを寄せる。
約60首。遣唐使の経験・学問・漢文の教養に根差した、身近な題材の歌が多い。
教養が豊か。仏教に詳しく、漢語をよく使い、あまり古い和歌の技術を使わない。
旅人と年が近く、旅人が大宰師(だざいのそち:大宰府の長官)に赴任している時期に、
憶良も筑前の守として九州に赴任


憶良が旅人の妻を悼んだ歌 仲の良い上司のために作った。
悔しかも かく知らませば あをによし 国内ことごと 見せましものを(巻5・797)
妹が見し 楝の花は 散りぬべし 我が泣く涙 いまだ干なくに(巻5・798)
栴檀の花。

貧窮問答歌 筑紫の守として民の心を報告した、探訪記のようなもの。
筑前国守の自分を貧しい役人に見立て、後半はもっと貧しい農民に話を聞く。

当時の農民の多くは公有・貴族・寺社の土地を期限付きで耕作し、
収穫の多くを賃料や税で払わされた。
さらに物納租税を都に運んだり、造都の労役など、農作業の時間が奪われた。
天候不順や虫害による飢饉などで生活は不安定。
723年 三世一身法 税の苛酷さ・三代後に返す失望で逃亡・流浪する民が相次いだ。

世間を 憂しとやさしと 思へども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば(巻5・893)
恥し(やさし)
 恥ずかしくなるほどつらい。

732年 貧窮問答歌を民部卿(民の政治を司る)の丹比県守に献上。←友人でもあった。
      
貧困・生老病死・愛別離苦など、社会問題や人生を真正面から取り上げた異色の社会派歌人。
天皇を讃えることよりも、庶民の苦しみを見つめることは難しい。
日本の文学史でも孤立しており、江戸時代の井原西鶴まであまり見かけない。
憶良は昔は評価されず、百人一首にも入らなかったが、他人に共感する力を持っていた。


伊集院さんの言葉
歌の変遷 言霊→公式行事→個性。
写真も似ている。魂を吸い取られる→記録→個性。

貧窮問答歌は、日本の文学史上特異だから教科書にも載っている。



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