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 万葉集の記事一覧 

 我がやどの 日めくり万葉集 

我がやどの  夕蔭草の    白露の  消ぬがにもとな 思ほゆるかも
吾屋戸之   暮陰草乃    白露之  消蟹本名    所念鴨
わがやどの ゆふかげくさの しらつゆの けぬがにもとな おもほゆるかも

4巻・594 笠女郎 2011年12月22木放送


我が家の庭の夕蔭草の白露のように、
この身も消え入るばかりに無性に思われることだ。



年下の恋人である大伴家持に贈った歌。

昔は家を「やど」と言っていた。
埴生の宿でも、ふるさとの家を「やど」と言っている。


何気ない風景から自分自身に収束していく表現が上手い。
家→夕蔭草→白露→消える→自分も 



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 ふるゆきの 日めくり万葉集 

平城京物語 平城京の雪 万葉学者・坂本信幸

天平18年の正月、数寸の雪が積もり、
橘諸兄は大納言以下将諸将を引き連れ、
元正太上天皇の元へ行き、雪かきの奉仕をした。

十数cmの雪は当時も大雪だった。
雪かきの後、元正太上天皇は宴を催し、皆に歌を読むように命じた。

降る雪の  白髪までに   大君に   仕へまつれば  貴くもあるか
布流由吉乃 之路髪麻泥尓  大皇尓   都可倍麻都礼婆 貴久母安流香
ふるゆきの しろかみまでに おほきみに つかへまつれば たふとくもあるか

17巻・3922 橘諸兄  2011年12月23金放送

降る雪のように髪が白くなるまで大君にお仕え申し上げ、
尊くかたじけないことでございます。

左大臣の諸兄が詠んだ歌。


新しき   年の初めに   豊の年   しるすとならし 雪の降れるは
新     年乃婆自米尓  豊乃登之  思流須登奈良思 雪能敷礼流波
あらたしき としのはじめに とよのとし しるすとならし ゆきのふれるは

17巻・3925 葛井諸会(渡来系の氏族)

新しい年の初めに豊作を告げているのでしょう、こんなに雪が降っているのは。

稔(とし) 実り

謝恵連『雪賦』の『尺ニ盈(み)テバ則チ瑞ヲ豊年ニ呈ス』を踏まえ、
大雪を豊年の瑞兆として寿いだ。



大宮の   内にも外にも  光るまで   降れる白雪  見れど飽かぬかも
大宮<能>  宇知尓毛刀尓毛 比賀流麻泥  零<流>白雪  見礼杼安可奴香聞
おほみやの うちにもとにも ひかるまで ふれるしらゆき みれどあかぬかも

17巻・3926 大伴家持

大宮の内にも外にも、光るほどに振っている白雪は、
見ても見飽きることがありません。

諸会が『雪賦』を使ったのに応じて、
漢語の「白雪」を「しらゆき」と翻訳し、
太政天皇の恩徳の光が大宮の内外まで満ちていることを讃えた歌。


従五位下に昇進し、貴族の仲間入りをしたばかりで、
おそらく晴れがましい場所で初めて献上した歌。

初めての歌としては良い出来栄えだと思われる。


この宴から13年後の正月、家持は都から遠く離れた因幡で雪の歌を詠んだ。
新しき    年の初めの  初春の   今日降る雪の  いやしけ吉事
  新    年乃始乃   波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰
あらたしき としのはじめの はつはるの けふふるゆきの いやしけよごと

20巻・4516 大伴家持

新しい年の初めに立春が重なった今日降る雪のように、
ますます重なれ良い事よ。
 
若き日に平城京で催された華やかな宴、
その時のように新年の雪を詠んだこの歌で、家持はこの万葉集を締め括った。




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 はつはるの 日めくり万葉集 

万葉四季の歌 睦月 新年を寿ぐ

聞いて寿ぐ

初春の    初子の今日の   玉箒    手に取るからに 揺らく玉の緒
始春乃    波都祢乃家布能 多麻婆波伎 手尓等流可良尓 由良久多麻能乎
はつはるの はつねのけふの たまばはき  てにとるからに  ゆらくたまのを

20巻・4493 大伴家持 2012年1月9月放送

初春の、初子の日である今日の玉箒よ、
手に取るだけでゆらゆらと音を立てる玉の緒よ。

758年に歌われた。

玉箒 蚕を買う棚を掃く箒に玉の飾りをつけたもの。
新年最初の子の日を祝う宴で天皇より賜ったもの。

今も正倉院に保存されている。

玉 魂という意味にも連想される。
玉箒の玉が鳴ると、人の魂、命の躍動をも促すと考えた。


見て寿ぐ
水鳥の   鴨の羽の     色の青馬を 今日見る人は 限りなしといふ
水鳥乃   可毛<能>羽能伊呂乃 青馬乎 家布美流比等波 可藝利奈之等伊布
みづとりの かものはのいろの あをうまを けふみるひとは かぎりなしといふ

20巻・4494 大伴家持

水鳥の鴨の羽根の色のような青い馬を、今日見る人は命限りなしと言います。

白馬(あおうま)の節会 新年7日の行事。

白馬 青みがかった芦毛や白い毛並みの馬で、春を象徴する。
それを見ることで邪気を払うことができると考えられていた。


触れて寿ぐ
あしひきの  山の木末の  ほよ取りて  かざしつらくは 千年寿くとぞ
安之比奇能 夜麻能許奴礼能 保与等<理>天 可射之都良久波 知等世保久等曽
あしひきの やまのこぬれの ほよとりて  かざしつらくは ちとせほくとぞ

18巻・4136 大伴家持

あしひきの山のこずえのほよ(やどりぎ)を取って髪にかざしたのは、
千年の齢を寿ごうとしてのことです。

ほよ やどりぎのこと。冬も鮮やかな緑を保っている。
古代の人は直接触れることでみずみずしい生命力に肖ろうとした


万葉の人々は、五感を使って新年のめでたさを味わい、感じ取ろうとしていた。



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 あらたしき 日めくり万葉集 

新しき   年の初めに   思ふどち  い群れて居れば 嬉しくもあるか
新      年始尓     思共   伊牟礼C乎礼婆 宇礼之久母安流可
あらたしき としのはじめに おもふどち いむれてをれば うれしくもあるか

19巻・4284 道祖王(ふなとのおおきみ) 2011年12月21水放送
天平勝宝5年1月4日 宴席 石上宅嗣

新しい年の初めに、気の合った仲間たちで集まっているとうれしいことだよ。

天武天皇の孫の道祖王が正月の宴で詠った。


ものみなは 日めくり万葉集 あらたしきについて。

おもふどち 気の合った仲間。




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 うまいひを 日めくり万葉集 

万葉料理教室 伝承料理研究家 奥村彪生さん
味飯を   水に醸みなし 我が待ちし かひはかつてなし 直にしあらねば
味飯乎    水尓醸成   吾待之    代者曽<无>  直尓之不有者
うまいひを みづにかみなし あがまちし かひはかつてなし ただにしあらねば

16巻・3810 娘子(おとめ) 2011年12月16金放送

うまい蒸し米を醸して酒を造り、私が待ったかいはさっぱり無かったわ、
直にあなたがやって来たわけではないのだから。

別れて住む夫が新しい妻を娶り、
自分には贈り物だけをよこしたと恨んで詠んだ歌。

お酒を造るには時間がかかる。この歌に流れる時間、甘い香りも感じる。


万葉より古い時代、酒は米を口で噛んで器に吐き出し、
唾液に含まれる酵素の働きを利用して作っていた。


万葉時代に、麹を使い、微生物の働きで発酵させる方法が普及。


一晩でできるお酒の造り方 
米を洗い、8倍の水でお粥を作り(1合で1440cc・五分粥)、
少し冷まし、米と同じ目方(1合=150g)の乾燥麹を混ぜて冷ます。
容器に入れて、こたつで一晩置く。おろし生姜を入れる。
米粒が残り、噛んで味わう。


感想 普通のお米で、しかも一晩でできるのはすごい! 
甘酒みたいになるのかな。でも半分ごはんだよね(笑)。
普通にご飯を食べればいいような気もします(笑)。
でも一度は作ってみたいです、作ったら追記したいです。



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 わがやどの 日めくり万葉集 

我が宿の   い笹群竹   吹く風の  音のかそけき  この夕かも
和我屋度能  伊佐左村竹  布久風能  於等能可蘇氣伎 許能由布敝可母
わがやどの いささむらたけ ふくかぜの おとのかそけき このゆふへかも

19巻 4291 大伴家持 天平勝宝5年2月23日 
2011年12月15木放送

我が家の庭のほんの少しの群竹に、吹く風の音のかすかに聞こえるこの夕べよ。

大伴家持が30歳を過ぎた頃、都にある自宅で詠んだ歌。

吹く風の音のかそけき
目に見えないかすかな風を捉えた、家持の繊細な感覚。

ほんの小さな変化から宇宙の変化を感じ取る
日本人の感性を受け継いでいきたい。



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 やすみしし 日めくり万葉集 

やすみしし 我が大君の 
朝には   取り撫でたまひ 夕には い寄り立たしし
み執らしの 梓の弓の    中弭の 音すなり
朝猟に   今立たすらし  夕猟に 今立たすらし
み執らしの 梓の弓の    中弭の 音すなり

八隅知之 我大王乃  
朝庭   取撫賜   夕庭   伊縁立之 
御執乃  梓弓之   奈加弭乃 音為奈利 
朝猟尓  今立須良思 暮猟尓  今他田渚良之
御執<能> <梓>弓之  奈加弭乃 音為奈里

やすみしし わがおほきみの
あしたには とりなでたまひ ゆふへには いよりたたしし
みとらしの あづさのゆみの なかはずの おとすなり
あさがりに いまたたすらし ゆふがりに いまたたすらし
みとらしの あづさのゆみの なかはずの おとすなり

1巻・3 中皇命(なかつすめらみこと) 2011年12月14水放送


やすみしし我が大君が、
朝には手にとってお撫でになり、夕べにはそばにお立ちになっていらした、
御愛用の梓の弓の中弭の音が聞こえます。
朝狩りに今お立ちになられるらしい。夕狩りに今お立ちになられるらしい。
御愛用の梓の弓の、中弭の音が聞こえます。


天皇が、内野という野原へ狩りに出る様子を思い描いた歌。


弓弭
弓の弭を鳴らすのは物の怪を追い払うため。源氏物語にも弓を鳴らす場面がある。


弦音に ほたりと落る 椿かな(夏目漱石)
弓の音が持つ意味を知る人は、明治頃にもまだ残っていた。

現代は、物の怪に対する恐れも、音に対する畏れも、
「いくら隠していても天は見ている」という意識も薄れてきた。




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 わがさとに 日めくり万葉集 

我が里に   大雪降れり   大原の  古りにし里に  降らまくは後
吾里尓    大雪落有    大原乃  古尓之郷尓   落巻者後
わがさとに おほゆきふれり おほはらの ふりにしさとに ふらまくはのち

2巻・103 天武天皇 2011年12月13火放送

おまえは羨ましがるだろうなあ、私の住む里にはこんなに大雪が降ったぞ。
そちらの大原の古びた里に雪が降るのはしばらく先になるだろうからね。

返歌

我が岡の  おかみに言ひて 降らしめし 雪のくだけし  そこに散りけむ
吾岡之    於可美尓言而   令落    雪之摧之    彼所尓塵家武
わがをかの おかみにいひて ふらしめし ゆきのくだけし そこにちりけむ

2巻 104 藤原夫人

大雪が降ったと大変ご自慢ですが、
その雪は私が住むこの岡の龍神に命じて降らせた雪。
その砕けたほんの欠片が、あなたの方に飛び散っただけでしょう。


ある雪の日に、天武天皇が妻の一人である藤原夫人(ふじわらのぶにん)に贈った歌。
実は二人が住んでいる所は1km程しか離れていなかった。
藤原夫人は、天武の「我が里に」に対して「我が岡の」と返している。



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 みつとりの 日めくり万葉集 

水鳥の  発ちの急ぎに   父母に  物言ず来にて  今ぞ悔しき
美豆等<利>乃 多知能已蘇岐尓  父母尓  毛能波須價尓弖 已麻叙久夜志伎
みつとりの  たちのいそぎに ちちははに ものはずけにて いまぞくやしき

20巻・4337  2011年12月12月放送
天平勝宝7年2月9日 有度部牛麻呂(うとへのうしまろ) 布勢人主

水鳥達が一斉に飛び立つように、
この俺は出で立ちの忙しさの中で、父母に物も言わずに来てしまった。
今思っても悔やまれてならない。

今の静岡県から兵役に赴いた防人歌。
召集を受けると別れを惜しむ間もなく旅立ち、
そのまま故郷に戻らない防人も多かったという。



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 しきしまの 日めくり万葉集 

作家たちの万葉集
磯城島の   大和の国に   人二人  ありとし思はば  何か嘆かむ
式嶋乃    山跡乃土丹   人二    有年念者    難可将嗟
しきしまの やまとのくにに ひとふたり ありとしおもはば なにかなげかむ

13巻・3249  2011年12月9金放送

磯城島の大和の国に、あの人が二人いると思うならば、
どうしてこんなに嘆くことがありましょう。



萩原朔太郎 大正時代「日本近代詩の父」。
口語自由詩を完成させ、現代史に大きな影響を与え、万葉集にも親しんでいた。

戀愛名歌集
萩原朔太郎が万葉集や古今集から好きな歌を集めた本。
~萬葉集は、
興国新進の氣運に乗じた上古人が、大膾率直に情緒を開放した歌集である。
故にその歌風は自然直截で力強く~情熱は純粋で赤裸々に表出されてある。

情熱の詩人にとっては、古今集以下の平安的な修辞に満ちた歌よりも、
万葉集の大らかで情熱的な歌に共感したのだろう。

萩原さんは、死の影を匂わせる詩の世界を描いて生命を表現していたが、
その後日本回帰していったのは、万葉集の影響が大きかったのではないか。

萩原さんはこの歌をこのように訳し、絶賛した。
「世界の中にただ二人、君と我とが愛しあつてる。
 人生の憂苦何するものぞ。我等尚戦はん!」
戀愛歌としてこれほど力強く、感情の高調した表現は他にない。
萬葉集戀歌中の歴巻である。

林望さんは、萩原さんを尊敬しているが、この訳は誤りだと言う。
「あなたは一人しかいないから、今日は私の所には来てくれない。
 あなたがもう一人いるのなら、こんなに嘆くことはないのに」という歌。


歌中の「人」に詠み人は含まれない。


感想
「○○だったら辛くないのに(でも○○の状態になるのは無理だから辛い)」
古典で時々ある表現法なんだなと思いました。


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